小原崇史公認会計士事務所

個人事業主の家族への給与の支払いについて解説します。

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個人事業主の家族への給与の支払いについて解説します。

個人事業主の家族への給与の支払いについて解説します。

2024/08/26

渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。

個人事業主の方で、家族に給与を支払い、経費に計上している方は多いと思います。

そのような方で、家族への給与は、正しく経費に計上できているか不安になる方も多いのではないでしょうか。

所得税法では、個人事業主が生計を一にする家族に支払った給与は、原則として必要経費として認められません。

しかし、青色申告を選択している場合、一定の条件を満たせば、家族への給与支払いを「青色事業専従者給与」として経費に計上することが可能です。

今回の記事では、そのような家族への給与の支払いについて解説します。

 

1.青色申告で家族への給与を経費計上するための要件

まず、青色申告で「青色事業専従者給与」として家族への給与を経費計上するためには、以下の条件を満たす必要があります。

 

①生計を一にする配偶者その他の親族であること

青色申告者と給与を受け取る家族が、同じ家計で生活していることが必要です。

これは、親族関係に基づき、共に生活し、生活費の支払いなど経済的にも結びついていることを指します。

 

②年齢が15歳以上であること

給与を受け取る家族が、その年の12月31日時点で15歳以上であること。

15歳未満の家族に支払う給与は、経費として認められない点に注意が必要です。

 

③その年を通じて6月を超える期間、その事業に専従していること

家族がその年を通じて6ヶ月以上、その事業に専念して働いていることが求められます。

これは、単なる形式的な雇用ではなく、実際に事業に貢献していることを証明するための重要な条件です。

例えば子供が学生でアルバイトとして給与を支払う場合などは、経費として計上することができません。

 

これらの要件を満たすことで、青色申告をしている個人事業主は、家族への給与支払いを経費として計上することができます。

ただし、給与の金額や支払い時期については、事前に税務署に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。

この届出を忘れると、経費として認められなくなるため、注意が必要です。

 

2.白色申告の場合の専従者控除

一方で、白色申告を選択している場合は「専従者控除」という制度があります。これは、家族に支払った給与を直接経費にするのではなく、一定額を控除する制度です。

 

① 専従者が事業主の配偶者の場合

配偶者であれば、86万円が控除額となります。

つまり、専従者として働く配偶者に対しては、この金額までが事業所得から控除されます。

 

②専従者が配偶者以外の親族の場合

配偶者以外の親族に対する控除額は、一人当たり50万円となります。

これもまた、事業所得から控除される額として設定されています。

白色申告での専従者控除も、青色申告と同様に、家族がその事業に専ら従事していることが条件です。

そのため、家族が実際にどの程度事業に関与しているかを示す証拠を残しておくことが重要です。

こちらに関してもアルバイトなどでは経費計上ができません。

 

3.専従者給与が否認されないためのポイント

税務調査で専従者給与が否認されないようにするためには、以下の点に注意する必要があります。

 

①専ら従事していることの証明

家族がその事業に専念していることを証明するために、日々の業務内容を記録し、勤務実態を残すことが必要です。

業務日誌や労働時間の記録を詳細に残すことで、税務調査時に確実な証拠として提出することができます。

 

②給与額の合理性

専従者に支払う給与が「不相当に高額」でないことを確認するために、同じ業務を他人に依頼した場合の給与と比較し、適正な金額を設定する必要があります。

市場相場に基づいた給与額を設定することで、税務署に適切な給与額として提示することができます。

 

③正確な帳簿の保持

専従者給与に関する支払記録や労働内容の証拠を残すために、正確な帳簿を保持することが重要です。

税務調査時に確認される可能性が高いため、伝票や支払い明細などの記録を整理しておくことが求められます。

 

以上のポイントを押さえておけば、家族への給与支払いを適切に経費として計上し、税務調査時にも安心して対応できるでしょう。

個人事業主としての税務処理において、家族への給与支払いを経費として計上することが可能となります。

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