個人事業主の法人成りについて解説します
2024/01/09
こんにちは、渋谷区恵比寿の税理士小原です。
今回は個人事業主の法人成りについて、メリット・デメリットを解説します。
当事務所では、個人事業主の法人化についてのご相談も受け付けております。また、他の士業や金融機関と連携して法人設立のサポートもしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
1. 法人化のメリット
① 信用力の向上
法人は、個人事業主と比べて社会的信用力が高まり、銀行からの融資が受けやすくなる可能性があります。また、取引先からの信頼も高まります。法人は登記をする必要があり、銀行や取引先は登記簿を確認することで法人の情報を取得することが容易となります。一方、個人事業主の場合は、そのような情報を簡単に取得することができないため、法人と比較して信用力が劣ると言われています。
② リスクの分離
個人事業主の場合、直接無限責任となり、事業の負債は個人負債となりますが、法人化すると限定責任となるため法人の負債は法人に限定されます。法人として個人とは別人格となるため、個人の資産保護が可能になります。
③ 事業承継の容易さ
法人は個人とは異なり、永続性があります。事業承継や事業の継続がスムーズに行えます。個人の場合は、事業主の死亡で消滅してしまいますが、法人の場合は株式を相続または事前に次世代に移動することで事業が継続されます。
④ 資金の節約
資金の節約としては、「社会保険料の削減」「所得税の節税」「役員社宅制度の利用」「10年間の繰越欠損金」があります。
「社会保険料の削減」では、個人事業主としては、保険料を国民健康保険として支払っていますが、法人化することで社会保険料に切り替え、個人の保険料負担を減らすことができます。一般的に、国民健康保険料より、社会保険料の方が負担が少ない傾向にあります。
「所得税の節税」では、法人税は所得税と比較して低い税率である場合が多いです。特に個人の最高税率に達するほど利益が多い場合、法人化によって税金の負担を軽減できます。また、個人事業主としては青色申告控除が最高65万円となりますが、法人から給与でもらう場合、給与所得控除は最低55万円となりますので、控除額の面でも法人化によるメリットを享受することができます。
「役員社宅制度の利用」では、個人の自宅を役員社宅とすることで、自宅の賃料の一部を経費とすることができます。個人事業主の場合、自宅兼事務所としている場合などは、家事按分して事業利用分のみを経費として計上することができます。一方で、役員社宅制度を利用するとより多くの金額を経費とすることができる可能性があります。
2. 法人化のデメリット
① 設立・運営コストの増加
法人設立には手続きや費用がかかります。また、会計処理や法務、税務の管理が個人事業主と比較して複雑になるため、専門家への依頼費用など運営コストが増加します。
② 手続きの複雑化
法人は個人事業主に比べて法律による規制が多く、定期的な決算報告や法人税申告などの手続きが必要になります。
③ 利益の分配制限
法人化すると、利益の分配は配当として行われます。個人事業主のように直接的な利益の引き出しは制限されます。また、役員報酬の変更は期首から3か月以内に決定する必要があり、1年間の報酬額が固定されます。賞与に対しても事前確定届出給与として事前に税務署に届出する必要があります。法人化は個人事業主と異なり、自身で利用する資金が固定化されます。
3. 結論
法人化は、税金の節約や信用力の向上などのメリットがありますが、運営コストの増加や手続きの複雑化などのデメリットも考慮する必要があります。個人事業主が法人化を検討する際には、自身の事業の規模や将来の展望を考え、専門家の意見を参考にしながら慎重に決定することが重要です。
当事務所では、個人事業主の方が法人成りするかどうかのご相談も受け付けております。「そろそろ法人成りの時期かな」や「いつ法人化するのがベストだろうか」など法人化についてお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。
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