小原崇史公認会計士事務所

決算前にチェック!正しい棚卸で期末在庫を確実に把握する方法

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決算前にチェック!正しい棚卸で期末在庫を確実に把握する方法

決算前にチェック!正しい棚卸で期末在庫を確実に把握する方法

2025/02/03

渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。

企業が所有する棚卸資産(商品、製品、仕掛品、原材料など)は、会社の資金が形を変えた大切な財産です。しかし、これらの資産は知らぬ間に消失したり、陳腐化したり、破損したりする可能性があります。そのため、定期的な実地棚卸による在庫管理が欠かせません。

特に決算時には、正確な期末在庫を把握することが重要です。今回は、棚卸」の重要性と、決算時に正しく期末在庫を把握するための5つのポイントを詳しく解説します。

 

1.棚卸が必要な3つの理由

 

①正確な決算書の作成

決算書を作成する上で、棚卸資産の正確な計上は非常に重要です。特に、損益計算書は「費用収益対応の原則」に基づいて、当期の売上に対応する売上原価を計上する必要があります。

例えば、当期に仕入れた商品であっても、来期以降に販売されるものであれば、売上原価とはならず、期末在庫(棚卸資産)として計上されます。これにより、適正な利益を算出し、財務状況を正しく示した決算書を作成することができます。

 

②適切な在庫管理

在庫管理を適切に行うことで、以下のようなメリットがあります。
・実際の在庫数量と帳簿上の数量の差異を把握できる
・過剰在庫や不足在庫の発見ができる
・商品の破損・紛失を早期に確認できる
・不良在庫の処分や発注量の調整が可能になる

在庫が過剰になると資金が寝かされ、キャッシュフローが悪化します。また、不良在庫を放置すると商品価値が下がり、最終的に値下げや廃棄処分につながり、利益を圧迫する可能性があります。

 

③適正な税務申告

棚卸資産の計上漏れは、所得の過少申告につながり、税務調査で指摘を受ける可能性があります。特に「社外在庫」の確認は漏れやすいため、注意が必要です。

また、意図的に在庫金額を水増しし、後で取り崩して損金計上するような行為は、税務上認められません。適正な税務申告を行うためにも、正しい期末在庫の把握が必要です。

 

 

2.決算時に正しく期末在庫を把握するための5つのポイント

①実際の数量と帳簿上の数量は一致しているか?

在庫の実際の数量と帳簿上の数量が一致しない場合、その原因を特定しましょう。
・入出庫時の記録ミス
・商品の紛失や誤廃棄
・品違いによる誤計上
・不正な持ち出し(横流し)

これらの問題を放置すると、決算書の信頼性が損なわれるだけでなく、会社の資産管理にも悪影響を及ぼします。

 

②社外の倉庫や取引先に預けている製品はあるか?

社外の倉庫や取引先に預けている棚卸資産も、決算日に棚卸資産として計上する必要があります。これらの在庫を正確に把握するため、「保管証明書」を発行してもらいましょう。

 

③仕入計上済みだが未着の商品(未着商品)はないか?

未着商品は、所有権が移転した時点(例:貨物引換証や船荷証券の受領時点)で棚卸資産に計上する必要があります。決算日直前の仕入れについても、確認を徹底しましょう。

 

④得意先に未着または未検収の製品はないか?

売上計上の基準として、納品基準や検収基準を採用している場合、発送済みでも得意先が未検収の製品は棚卸資産として計上する必要があります。

 

⑤決算日間際の仕入や売上はどう処理するか?

決算日直前の取引は、仕入・売上の計上基準を明確にし、適切に処理しましょう。例えば、決算日に届いた商品がまだ売上となっていない場合、期末在庫として棚卸資産に計上しなければなりません。

 

3.日頃から行うべき3つのポイント

決算時に慌てないためにも、普段から次の3つを実施しておきましょう。

 

①日常の入出庫管理の徹底

商品の名称、単価、数量、仕入日、販売日、在庫数などを記録し、日常的に帳簿上の在庫を管理・把握することが重要です。
また、消耗品でも一定量を超えて保管している場合は、棚卸資産として計上する必要があるため、範囲を明確にしておきましょう。

 

②定期的な実地棚卸

決算時だけでなく、毎月または3か月ごとに実地棚卸を行うことが理想的です。 これにより、決算時の負担を軽減し、在庫管理の精度を向上させることができます。

 

③倉庫内の清掃・整理整頓

倉庫内の整理整頓を徹底することで、以下のメリットがあります。
・受発注管理の効率化
・入出庫時のミス防止
・実地棚卸の作業効率向上

倉庫内のルールを決め、「どこに、何が、どれだけあるか」を明確にすることが大切です。

 

4.まとめ

棚卸は、正確な決算書の作成、適切な在庫管理、適正な税務申告のために欠かせません。特に決算時には、期末在庫を正しく把握することが重要です。

 決算時の5つの確認ポイント
・実際の数量と帳簿上の数量の一致確認
・社外倉庫や取引先の在庫確認
・仕入計上済みの未着商品の確認
・得意先未着・未検収製品の確認
・決算日間際の仕入・売上処理の適正化

日頃から入出庫管理、定期的な実地棚卸、倉庫内の整理整頓を徹底し、スムーズな決算対応を目指しましょう。

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