融資審査で見られるポイントとは?金融機関が重視する返済能力と返済プラン
2024/08/28
渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。
金融機関からの融資を受ける際、最も重要なのは「この融資はきちんと返済されるのか?」という視点です。
金融機関は融資先の企業が確実に返済能力を持っているかどうかを厳しくチェックします。
そのため、返済能力を証明するための材料を準備し、しっかりとした返済プランを提示することが必要です。
今回は、金融機関が融資審査で確認する「返済能力」と「返済プラン」について、具体的にどのような点に注目しているのかを詳しく解説します。
1. 返済能力の確認ポイント
金融機関が融資の申し込みを受けた際、最初に注目するのが「返済能力」です。
これを評価するために以下のポイントがチェックされます。
① 2期連続赤字ではないか
まず、企業が直近で2期連続の赤字を出していないかが確認されます。赤字が続いている場合、企業の財務状況が悪化していると判断されるため、新たな融資を受けることは非常に困難になります。
また、負債が純資産を上回っている状態では、返済リスクが高いと見なされます。
負債が純資産を上回っている状態、いわゆる債務超過に陥らないように会社の状況を日々把握しましょう。
② 自己資本比率20%以上
自己資本比率が20%以上であることも重要な指標です。
自己資本比率が高いほど、企業が自己資本で支えられている割合が大きく、一時的な赤字があっても急な倒産の可能性が低いと判断されます。
この比率が20%未満の場合、経営の安定性に疑問が持たれ、融資審査で不利になることが多いです。
③ EBITDA有利子負債倍率が15倍以内
EBITDA有利子負債倍率も重要な指標です。
これは、企業の償却前営業利益(EBITDA)に対する借入金の割合を示します。
計算式は以下の通りです。
・EBITDA有利子負債倍率=(借入金 - 現預金) ÷ (営業利益 + 減価償却費)
この数値が低いほど、収益力が高く、借入金を返済する能力があると見なされます。
金融機関では、この倍率が15倍以内であることを理想としています。
2. 返済プランの確認ポイント
融資審査では、返済能力の次に「返済プラン」が確認されます。
ここで重要なのは、返済の原資をどのように確保するかについて具体的なプランを持っているかどうかです。
また、返済プランについては、社長自身の言葉で説明できるかが重要です。
返済プランを作成する際には、以下の点を考慮する必要があります。
① 運転資金の融資の場合
運転資金の融資を受ける際は、売上や経費の支払い等の見通しが明確であることが求められます。
例えば、どのように売上を増加させるのか、またはどのようにして経費を削減するのかなどの具体的な計画を示すことが大切です。
この際、資金繰り表や経営計画書を用いて、返済原資を確保できる見込みを具体化する必要があります。
② 設備資金の融資の場合
新しい設備を導入するための融資を受ける場合、その設備によってどの程度の利益が生まれるかを明確にする必要があります。
具体的には、新設備の導入によって生じる売上増加やコスト削減効果を示すことが重要です。
これを経営計画書等に落とし込むことで、金融機関に対して返済可能性を納得させる材料となります。
3. 返済力・返済プラン説明のコツ
返済能力や返済プランを説明する際には、以下のポイントを押さえておくことが効果的です。
決算書や試算表を活用する:直近の経営状況を数字で示すことで、具体的な根拠を持って説明することができます。
設備導入の効果を説明する:新たな設備を導入した場合の効果やそれによる利益増加を具体的に示すことが重要です。
将来の経営計画を明確にする:今後の経営計画と返済見込み期間を具体的に融資担当者に伝え、納得感を持たせることが大切です。
金融機関からの融資を成功させるためには、これらのポイントを押さえた上で、しっかりとした返済能力と返済プランを提示することが必要です。
計画を詳細に策定し、数字に基づいた説得力のある説明を心がけましょう。
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