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中小企業退職金共済制度について解説|小原会計税理士法人

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中小企業退職金共済制度について解説|小原会計税理士法人

中小企業退職金共済制度について解説|小原会計税理士法人

2024/05/15

渋谷区恵比寿でスタートアップ、開業・創業支援を行っている税理士法人小原会計の小原です。

今回は、中小企業退職共済金について解説します。

中小企業が従業員の退職金を十分に確保することが難しい場合や、従業員が退職時に老後の生活資金として退職金を受け取りたい場合に、この制度は双方にメリットがあります。

まだ未加入の中小企業の方は、一度加入を考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

1.中小企業退職金共済制度とは

 

中小企業退職金共済制度(以下、中退共制度)は、退職金制度を設けることが難しい中小企業に対し、事業主の相互共済の仕組みと国の援助によって退職金制度を設けるものです。

この制度は、中小企業で働く方々の福祉の増進を図り、中小企業の振興に寄与することを目的としています。

 

2.中小企業退職金共済制度のメリット

 

①掛け金は全額非課税

掛け金は、税務上損金または必要経費として扱われます。

 

②国の掛金助成制度

初めて制度に加入する場合、従業員ごとに上限5,000円を加入後4か月目から1年間、国から助成を受けることができます。

また、18,000円以下の掛金月額を増額する事業主に対しては、増額分の3分の1を増額月から1年間、国から助成金を受けることができます。

  1.  

 

③通算制度でまとまった退職金

事業主が初めて中退共制度に加入する際、既に1年以上勤務している従業員について、加入前の勤務期間を通算することができます。

転職してきた従業員に関しては、転職前の企業で退職金を請求していない場合、前の企業で支払っていた掛金納付月数を転職後の企業でも通算することができます。

また、中退共制度に加入している企業と特定退職金制度に加入している企業間を転職した場合でも、それぞれの制度において前の企業での退職金制度を通算することが可能です。

 

④退職金は直接従業員へ支払

退職金は、中退共本部から直接退職した従業員の預金口座に振り込まれます。

仮に従業員が退職する際に会社に退職金の資金がなくても、従業員に退職金を渡すことが可能です。

また、退職金は一時金払いの他に、本人の希望により、全部または一部を分割して受け取ることができます。

 

3.加入条件及び対象者

 

①加入できる企業

中退共に加入できる企業は、業種ごとに資本金または従業員数の基準を満たす必要があります。

 

・一般業種(製造業・建設業等):常用従業員数300人以下、または資本金3億円以下

 

・卸売業:常用従業員数100人以下、または資本金1億円以下

 

・サービス業:常用従業員数100人以下、または資本金5千円以下

 

・小売業:常用従業員数50人以下、または資本金5千円以下

 

 

②加入対象者

従業員は原則として全員加入させる必要があります。

ただし、以下の条件に該当する従業員は加入させなくても良いこととなっています。

 

・期間を定めて雇用されている従業員

・季節的業務に雇用される従業員

・使用期間中の従業員

・短時間労働者

・休職期間中の従業員

・定年などで短期間内に退職することが明らかな従業員

 

また、経営者や役員は加入できないことに注意が必要です。

 

 

4.加入手続き及び掛金について

 

①加入手続き

加入の手続きは事業主が行います。手続きの流れは以下の通りです。

 

ⅰ加入する従業員の同意を取る。

ⅱ従業員個々の掛金月額を決定する。

ⅲ必要事項を記入した書類を金融機関、委託事業主団体または委託保険会社に提出する。

ⅳ中退共本部と契約を締結する。

ⅴ中退共本部から事業主へ加入通知書・退職金共済手帳が送付される。

 

②加入申込先

・金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、商工中金)

・委託事業主団体(TKC企業共済会、労働保険事業組合、商工会議所等)

・委託保険会社

③掛金月額

掛金月額は、従業員ごとに選択することができます。

選択できる金額は5,000円から30,000円で、1,000円刻みで設定可能です。

また、掛金月額は加入後に「掛金月額変更申込書」を提出することで変更できます。

減額の場合は、従業員の同意を得るか、現在の掛金月額を継続することが著しく困難であると厚生労働大臣が認定した場合に限り変更が可能です。

 

5.まとめ

 

今回は、中小企業退職金共済制度について解説しました。

この制度を利用することで、中小企業は従業員の退職金に対して国からの助成を受けることができ、全額を損金または必要経費に計上できます。

また、従業員にとっても将来の退職金を安心して受け取れるメリットがあります。

掛け金は月額5,000円からと少額から始めることができるので、未加入の方はぜひ一度、加入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

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