中小企業の決算書、信頼性向上方法について解説します!
2024/08/09
渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。
中小企業の経営者にとって、決算書の信頼性を高めることは、企業の信用度を向上させるために非常に重要です。
特に金融機関との関係を築く上で、正確で信頼できる決算書を提出することは不可欠です。
しかし、多くの中小企業は、決算書の信頼性に関して問題を抱えています。
この記事では、なぜ中小企業の決算書が信頼されないのか、その原因と解決策について詳しく解説します。
1.なぜ中小企業の決算書は信頼されにくいのか?
中小企業の決算書が金融機関やその他の利害関係者から信頼されない主な理由は、次の二つに集約されます。
・故意に粉飾が行われている可能性
・知識不足による誤謬の発生
上場企業や規模の大きい企業では、公認会計士や監査法人による財務諸表監査が義務付けられています。
これにより、企業会計基準に準拠した決算書が作成され、その信頼性が担保されています。
しかし、中小企業の場合、財務諸表監査が義務付けられていないため、外部の第三者による信頼性の保証がないことが多いのです。
さらに、中小企業の決算書が信頼されにくい理由の一つとして、税法基準で作成された決算書の限界が挙げられます。
●税法基準で作成された決算書の信用度の低さ
中小企業において、決算書の作成目的は主に税務申告にあります。
そのため、決算書を作成する際に、税法基準に従った処理が優先されることが多いです。
しかし、ここで重要なのは、税法基準と会計基準の違いです。
税法基準は、公平な課税を目的としており、費用の計上や収益の認識についても、その基準は会計基準とは異なります。
一方、会計基準は、企業の正確な財務状況を示し、適正な期間損益計算を行うことを目的としています。
この違いにより、税法基準で作成された決算書は、企業の実際の経営状況を正確に反映していない可能性が高いのです。
具体的には、税法基準では引当金の計上が制限されるなど、企業のリスクや将来の費用を正確に反映しないことがあります。
その結果、税法基準で作成された決算書は、利害関係者にとって信頼性が低く見られることが少なくありません。
2.中小企業の決算書の信頼性を向上させる方法
では、中小企業がどのようにして決算書の信頼性を高めることができるのでしょうか?
以下に、その具体的な方法を紹介します。
① 一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠した決算書の作成
税法基準で作成された決算書では、企業の真の財務状況が正確に反映されていない可能性が高いため、一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠した決算書の作成が推奨されます。
これには、企業会計基準、中小会計指針、中小会計要領などがあります。
特に中小企業では、中小会計指針、中小会計要領を適用することとなります。
・中小会計指針は、計算書類の開示や経理体制の観点から、一定の水準を保ったもので、中小企業の多くがこれに準拠することが望ましいとされています。
・中小会計要領は、より簡便な会計処理を行うことが適当とされる中小企業向けに設けられたものです。
これらの基準に基づいて決算書を作成することで、企業の経営状況をより正確に表現し、利害関係者からの信頼を得ることが可能になります。
②会計専門家に決算書の信頼性を保証してもらう
中小企業の多くが抱える問題として、経理人材の不足があります。
これにより、正確な決算書を作成することが難しくなり、その結果、信頼性が低下するという悪循環が生じます。
この問題を解決するためには、会計専門家に関与してもらうことが非常に有効です。
公認会計士や税理士に決算書の作成を依頼し、彼らから一定の保証を受けることで、決算書の信頼性が大幅に向上します。
また、適切な記帳が行われていることを確認し、すべての取引が正規の簿記の原則に従って記録されているかをチェックすることも重要です。
3.まとめ
中小企業が決算書の信頼性を高めるためには、税法基準から脱却し、適切な会計基準に準拠した決算書を作成することが重要です。
さらに、会計専門家のサポートを受けることで、決算書の信頼性を確保し、企業の信用度を向上させることが可能になります。
これにより、金融機関との取引や資金調達が円滑に進むだけでなく、企業全体の経営の安定化にもつながるでしょう。
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