【特別目的会社】SPCの基本から活用法まで分かりやすく解説!
2024/02/22
スタートアップ、創業支援をしている渋谷区恵比寿の税理士小原です。
今回は特別目的会社(SPC)について解説いたします。
小原崇史公認会計士事務所では、SPCの組成から税務申告のご支援も行っております。
また、公認会計士ならではの業務として、SPC監査業務も行っております。
1.はじめに
特別目的会社(SPC)は、企業の資産流動化や財務体質の改善、M&Aなど様々な目的で利用される法人形態です。
しかし、そのメカニズムや活用法は一般にはあまり知られていません。
この記事では、SPCの基本からメリット・デメリット、そして活用法までをわかりやすく解説します。
2. 特別目的会社(SPC)とは
特別目的会社(SPC)とは、「資産の流動化に関する法律」(SPC法)に基づいて設立される法人のことで、主に資産の保有と管理を目的としています。
不動産、売掛金、住宅ローン、太陽光発電など様々な資産を保有することができますが、事業活動を行うことはできません。
3. SPCの設立目的と役割
SPCの主な設立目的には、資産の証券化、財務体質の改善、M&Aがあります。
SPCは事業活動を行わないため、資産の保有と管理がその役割であり、実際の業務は設立した親会社が行います。
4. SPCのメリットとデメリット
①メリット
資産の保持:倒産のリスクがなく、資産を安全に保持できる。
資産の切り離し:負債の割合を減らし、バランスシートを改善する「オフバランス化」が可能。
小資金でのM&A:レバレッジド・バイアウト(LBO)を利用して、少額の資金で大規模なM&Aを実施できる。
②デメリット
コストがかかる:設立には最低10万円の資本金が必要で、手続きにも手間とコストがかかる。
不正が行われる可能性:資産を切り離す性質を悪用した粉飾決算が行われる可能性がある。
M&A対象の企業が負債を抱える:LBOでM&Aを実施すると、買収される側の企業が負債を抱えるリスクがある。
5. SPCを活用する手法
SPCを活用する手法には、GK-TKスキームやTMKスキームがあります。
GK-TKスキームは合同会社(GK)と匿名組合(TK)を利用するスキームで、不動産や信託受益権を取得し、利益を匿名組合員に分配します。
TMKスキームは特定目的会社(TMK)を利用した投資スキームで、不動産や信託受益権を取得し、資産から得た利益で投資家に配当を支払います。
6. SPCに課される税金
SPCは税務上の観点からも利用され、タックスヘイブンに設立することで節税対策に利用されることがあります。
また、M&Aでは、特別目的会社を活用して買収のための資金を調達し、LBOを行うことが可能です。
7. SPCと株式会社・合同会社の違い
特別目的会社(SPC)は、会社法以外にSPC法に基づいて設立できる点が株式会社や合同会社との大きな違いです。
また、SPCは資産を保有する箱としてのみ機能し、事業活動は親会社が行う点も異なります。
8.まとめ
特別目的会社(SPC)は、資産の流動化や財務体質の改善、M&Aなど様々な目的で利用される法人形態です。
そのメリットとデメリットを理解し、適切に活用することで、企業の財務戦略に大きな貢献をすることができます。
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