小原崇史公認会計士事務所

【税理士解説】日本政策金融公庫の創業計画書|10の記入欄と書き方

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【税理士解説】日本政策金融公庫の創業計画書|10の記入欄と書き方

【税理士解説】日本政策金融公庫の創業計画書|10の記入欄と書き方

2026/08/19

【税理士解説】日本政策金融公庫の創業計画書|10の記入欄と売上高の見積り方

 

渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。
創業融資を申し込むにあたり、ご自身で「事業計画書」を作り込んで来られる方がいます。実は、日本政策金融公庫(以下「公庫」)が創業時に提出を求めているのは、自由形式の事業計画書ではなく「創業計画書」という決まった様式です。しかも、事業の段階によって、提出する書類そのものが入れ替わります。ここを取り違えたまま準備を進めると、思わぬ手戻りが生じます。
今回は、公庫が公開している様式・記入例・「創業の手引」に書かれている内容だけをもとに、創業計画書の10の記入欄と、多くの方がつまずく「必要な資金と調達方法」「事業の見通し」の埋め方を解説します。なお、創業計画書の作成は申込手続の一部であり、融資の可否は公庫の審査によります。

 

1.創業計画書と事業計画書・企業概要書の違いは?

創業時に公庫へ提出するのは「創業計画書」です。公庫は創業計画書を「新たに事業を始める方に事業計画等をご記入いただくもの」と説明しており、専用の様式を無料で公開しています。したがって、いわゆる「事業計画書」を自由な形式でゼロから作らなければならないわけではありません。
紛らわしいのが「企業概要書」との使い分けです。公庫は、インターネット申込の必要書類の案内のなかで、次のように案内しています。

①これから事業を開始される場合、または事業を開始して間もない場合 … 創業計画書をご準備ください。

②上記以外の場合 … 企業概要書をご準備ください。

ここで注意していただきたいのは、基準が「事業を営んでいるかどうか」ではないという点です。すでに開業していても「事業を開始して間もない」段階であれば、①の創業計画書の側になります。「間もない」の線引きは公庫のホームページに示されていないため、迷う場合は申込みを予定している支店に確認してください。
なお、インターネット申込の必要書類の案内では、国民生活事業の事業資金をはじめて利用する場合、上記の書類とあわせて直近期および直近期の前期の確定申告書(一式)も挙げられています(詳しくは7.で整理します)。自分がどの段階にいるのかを最初に確定させることが、準備の遠回りを防ぐ第一歩です。

 

2.創業計画書の入手場所(Excel版・PDF版と9業種の記入例)

創業計画書の様式は、公庫のホームページの「各種書式ダウンロード(小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】)」から、Excel版とPDF版の2つの形式で無料でダウンロードできます。
このページでは、あわせて次の書式も入手できます(このほか受注工事明細表、経営状況振り返りシートなども掲載されています)。

 

①創業計画書(様式・Excel版/PDF版)

 

②創業計画書の記入例(9業種分)

 

③月別収支計画書(様式と記入例)

 

④企業概要書(様式と記入例3業種分)

 

⑤借入申込書とその記入例

 

⑥設備投資計画書、資金繰り表


とくに活用したいのが記入例です。公庫は、洋風居酒屋、美容業、中古自動車販売業、婦人服・子供服小売業、ソフトウェア開発業、内装工事業、学習塾、歯科診療所、介護サービスの9業種について、記入済みの創業計画書を公開しています。店舗型か受託型か、在庫を持つか持たないかといった観点で近い業種を選べば、どの粒度まで書かれているのかを確認できます。
また、公庫は「創業計画の書き方」のページで、創業計画書の基礎解説動画「創業計画書って何ですか?」と、「創業の動機」「経営者の略歴等」編、「取扱商品・サービス」「取引先・取引関係等」編、「資金計画」編、「収支計画」編という創業計画書作成ストーリーの動画(全4話)を公開しています。書き上げた後の見直し用には「創業計画書セルフチェック」も用意されています。

 

3.創業計画書の10の記入欄

創業計画書は、番号の振られた10の欄で構成されています。全体像を先に押さえておくと、どこに何を書くべきかで迷わなくなります。

①創業の動機 … 創業の目的、動機を書く欄です。

②経営者の略歴等…略歴、過去の事業経験、取得資格などを書く欄です。

③取扱商品・サービス…取り扱う商品やサービスの内容とセールスポイントを書く欄です。

④従業員…常勤役員や従業員の人数を書く欄です。

⑤取引先・取引関係等 … 販売先、仕入先、外注先と、その回収・支払の条件を書く欄です。

⑥関連企業…申込人もしくは法人代表者またはその配偶者が経営している企業がある場合に書く欄です。

⑦お借入の状況…事業用以外を含めた既存の借入の状況を書く欄です。

⑧必要な資金と調達方法…いくら必要で、それをどう用意するのかを書く欄です。

⑨事業の見通し(月平均)…創業当初と軌道に乗った後の収支を書く欄です。

⑩自由記述欄(アピールポイント、事業を行ううえでの悩み、希望するアドバイス等)

 

見落とされやすいのが⑩です。様式では「アピールポイント、事業を行ううえでの悩み、希望するアドバイス等」という副題が付いており、アピールポイントだけでなく、事業を行ううえでの悩みや希望するアドバイスも記載事項として挙げられています。あわせて様式には「これまでのご経験や事業内容の詳細が分かる計画書など、参考となる資料がございましたら、併せてご提出ください」という案内もあります。

 

4.「必要な資金と調達方法」の埋め方

⑧の欄は、左側に「必要な資金」、右側に「調達の方法」を書き、両者の合計が一致する構造になっています。数字をひとつ動かしたら、必ず両側を合わせて直してください。
必要な資金は、次の2つに分けて記入します。

①設備資金 … 店舗や事務所の内装、機械、車両、パソコン、サーバー、什器など

②運転資金 … 仕入代金、人件費、家賃、広告宣伝費など、事業を回すための資金
調達の方法の欄は、次の4つに分かれています。
・自己資金
・親、兄弟、知人、友人等からの借入
・日本政策金融公庫 国民生活事業からの借入
・他の金融機関等からの借入


設備資金については、インターネット申込の必要書類の案内で、設備資金を申し込む場合のみ見積書を準備することとされています。日本公庫の「創業の手引」は、取得予定の設備について複数社から見積を取得して金額を吟味すること、中古品の購入などで初期投資を抑えられないか検討すること、購入だけでなくリースやレンタルも検討すること、設備の漏れがないかを確認することを挙げています。
自己資金については、「創業の手引」が「自己資金の割合が高いほど、借入の割合は低くなり、余裕をもった資金繰りが可能」という考え方を示しています。あわせて、調達総額に占める自己資金の割合が平均22.9%であるという数値が掲載されています(日本公庫「2025年度新規開業実態調査」)。これは基準や要件として示された数値ではなく、あくまで実態調査の平均値ですが、自分の計画がどのあたりに位置しているのかを知る手がかりにはなります。なお、セルフチェックリストは「自己資金が少なく、借入依存の資金調達計画になっていませんか?」とも問うています。
運転資金の金額については、「創業の手引」は販売先からの入金条件と、仕入先・外注先への出金条件を踏まえて見積もるとしています。掛け取引が中心で入金が翌々月末になる事業と、現金商売で当日入金がある事業とでは、必要な運転資金がまったく違います。「何か月分」という一律の答えがあるわけではなく、⑤の取引先・取引関係等の欄に書いた回収・支払条件から逆算するのが筋道です。
もうひとつ見落とされやすいのが、立ち上がり期の資金です。セルフチェックリストは必要な資金の確認項目として「事業開始後の運転資金(半年程度の赤字補てん資金など)について検討していますか?」を挙げています。仕入代金や家賃といった回していく資金だけでなく、売上が計画水準に届くまでの期間の持ち出しを見込んでおく、という趣旨です。

 

5.「事業の見通し」の売上高はこう見積もる

⑨の事業の見通しは、様式上、「創業当初」と「1年後又は軌道に乗った後」という2つの時点について、それぞれ月平均の金額を記入するようになっています。
記入する勘定科目は次のとおりです。

①売上高

②売上原価(仕入高)

③経費(人件費、家賃、支払利息、その他)

④利益

経費欄には「家賃」が独立した項目として印刷されています。「その他」に紛れ込ませず、様式のとおりに分けて記入してください。
最も差が出るのが売上高です。公庫の「創業の手引」は、業種に応じた売上高の見積り方として次の算式を示しています。

①サービス業関係業種 … 客単価 × 設備単位数(座席・施術用ベッド) × 回転数 × 営業日数

②販売業で店舗売りのウェイトが大きい業種 … 1日当たりの来店客数 × 客単価 × 営業日数

③インターネットを通じて販売する事業 … 1ヵ月当たりの集客数(流入数) × CVR(コンバージョン率) × 客単価

④設備が直接売上に結びつき、設備単位当たりの生産能力がとらえやすい業種 … 設備の生産能力 × 単価 × 設備数 × 営業日数

⑤商圏分析を用いる場合 … 1世帯あたり消費額 × 世帯数 × シェア率(パン製造小売業の例)

いずれも、売上高を「単価」と「数量」に分解して積み上げるという考え方です。「1年目で月商300万円」という結論だけを書くのではなく、席数が何席で、1日に何回転して、客単価がいくらで、月に何日営業するのか、という順で組み立ててください。
経費についても、「創業の手引」は消耗品費や水道光熱費、広告宣伝費などに漏れがないかを確認すること、業界平均と比較して水準を検討することを挙げています。
なお、「創業の手引」には、資金計画を考える際の参考として「黒字化にかかった期間 平均6.4ヵ月」という数値も掲載されています(公庫「2025年版新規開業白書」)。これも実態調査に基づく平均値であって、審査の基準でも、計画上の目安として示されたものでもありません。あわせて、セルフチェックリストが「利益から借入の返済が可能な収支計画となっていますか?」と問うている点も確認してください。売上高が月ごとに大きく動く事業であれば、月ごとの収支の動きは月別収支計画書で、入出金のタイミングを踏まえた資金残高の推移は、同じページで公開されている資金繰り表で確認できます。

 

6.申込みから融資までの5つのステップ

公庫が「創業予定の方」向けに案内している手続きは、①ご相談、②お申込、③ご面談、④ご融資、⑤ご返済という順に進みます。創業計画書は②のお申込の段階で提出する書類であり、そこで終わりではなく、③の面談でその内容を説明することになります。

①ご相談 … 融資制度や申込手続の問い合わせは、事業資金相談ダイヤル(0120-154-505、平日9時から19時)で受け付けています。事前予約のうえ、オンラインや支店窓口で相談することもできます。

②お申込 … 「お申込は、インターネット申込をご利用ください」とされており、インターネット申込は24時間365日受付です。同ページには「ご郵送によるお申込手続きをご希望の方は、上記資料とあわせて『借入申込書(国民生活事業用)』をご提出ください」という注記もあります。

③ご面談 … 資金の使いみちや事業計画などについて説明を求められます。事業計画に関する資料や資産・負債が分かる書類の提出を求められるほか、店舗や事業所の予定地を訪問します。オンラインでの面談にも対応しています。日本公庫は、この面談について「事業計画などをさまざまな角度から検討し、融資の判断をいたします」としています。

④ご融資 … 融資が決まると契約手続の案内があり、電子契約サービスを利用して手続をしたうえで、融資金が指定口座へ送金されます。

⑤ご返済 … 返済は原則として月賦払いです。

 

公庫は「審査の結果、お客さまのご希望に沿えないことがございます」と明記しています。創業計画書を整えることは申込手続の一部であって、融資が受けられることを意味するものではありません。


7.はじめて利用する場合の提出書類(法人・個人事業主別)

創業計画書は提出書類の一部にすぎません。日本公庫のインターネット申込の案内では、国民生活事業の事業資金をはじめて利用する場合、次の書類が挙げられています。

 

個人事業主の場合

①創業計画書または企業概要書

②直近期の確定申告書(一式)

③直近期の前期の確定申告書(一式)

④見積書(設備資金を申し込む場合のみ)

⑤公庫電子契約サービス(国民生活事業)利用申込書

⑥送金先の預金通帳(表紙、見開き1ページ目)

⑦代表者の方の本人確認書類

⑧許認可証等(許可・届出等が必要な事業を営んでいる場合のみ)

 

②③には「青色申告の方は青色申告決算書、いわゆる白色申告の方は収支内訳書を含みます」という注記が付いています。また、税務申告が1期しか完了していない方は1期分でよく、事業をはじめて間もない方で税務申告未了の場合は提出不要とされています。

 

法人の場合

上記に加えて、次の2点が挙げられています。②③は確定申告書・決算書(一式)となります。

⑨試算表(決算後6か月以上経過している場合、または事業を始めたばかりで決算を終えていない場合)

⑩法人の履歴事項全部証明書(最近6か月以内のもの)
設立したばかりで決算をまだ迎えていない法人も、⑨試算表の準備対象に含まれています。

⑦の本人確認書類は、運転免許証(両面)、マイナンバーカード(表面のみ)、パスポート(顔写真のページおよび現住所等の記載のあるページ)のいずれかとされています。マイナンバーカードは表面のみである点に注意してください。

⑧の許認可証等には、「現在未取得で、これから取得予定の場合は、お申込時のご準備は不要です」という括弧書きが付いています。申込時に提出する書類としての取扱いを述べたものです。

 

なお「創業の手引」は、許認可を要する事業として飲食店営業、建設業、運送業、酒類販売業、美容業、旅館業、医薬品等の販売業などを例示しています。あわせて創業時の届出も、税務署(個人事業の開業・廃業等届出書、法人設立届出書、青色申告承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書)、各都道府県税事務所(地方税関連の届出)、年金事務所(健康保険・厚生年金保険の新規適用届、被保険者資格取得届)、労働基準監督署(労災保険の保険関係成立届、概算保険料申告書)、公共職業安定所(雇用保険適用事業所設置届)といった届出先別に整理して掲載しています。該当するものがないかを早めに確認しておいてください。

 

ここまではインターネット申込の必要書類の案内に基づく一覧です。日本公庫は「創業予定の方」のお手続きの流れのページでも提出資料を案内しており、そちらには確定申告書や試算表は挙げられていない一方、次の3点が挙げられています。

 

①生活衛生関係の事業を営む方は、都道府県知事の「推せん書」または生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」

②担保を希望する場合は、不動産の登記簿謄本または登記事項証明書

③法人の場合の履歴事項全部証明書または登記簿謄本
案内されているページによって一覧が異なります。これから創業される方は、両方のページを確認してください。

 

8.創業計画書とあわせて確認したい融資制度と利率の特例

創業計画書を作る前に、どの制度に申し込むのかを確認しておきましょう。日本公庫が創業融資として案内しているのが「新規開業・スタートアップ支援資金」です。

①対象 … 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方

②融資限度額 … 7,200万円

③返済期間 … 設備資金は20年以内(うち据置期間5年以内)、運転資金は10年以内(うち据置期間5年以内)

④担保・保証人 … 希望を伺いながら相談する取扱い。

②はあくまで制度上の上限であり、実際の融資額は審査によります。
この制度と併用できる特例が3つ案内されています。とくに創業期に関係するのが創業支援貸付利率特例制度です。

①創業支援貸付利率特例制度 … 新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方が対象で、各種融資制度に定める利率から0.65%、雇用の拡大を図る場合は0.9%引き下げられます。

②経営者保証免除特例制度 … 法人の方が対象で、上乗せ利率はありません。

③賃上げ貸付利率特例制度

 

①で押さえておきたいのは、対象が「税務申告を2期終えていない方」である点です。新規開業・スタートアップ支援資金そのものの対象は「おおむね7年以内」ですが、この特例の対象範囲はそれより狭く、税務申告を2期終えた後は対象外になります。7年以内であれば利率が下がる、という関係ではありません。

 

②の経営者保証免除特例制度について、日本公庫は対象を「次の1から7までのいずれかの要件を満たしており、経営状況等から借入返済が可能と見込まれる法人の方」としています。個人事業主は対象外である点にご注意ください。7つの区分のうちの一つに「新たに事業を始める方または税務申告を2期終えていない方」があり、創業段階の法人にも道は用意されています。ただし、この区分を含む一部の区分では、あわせて法人と代表者の方の一体性の解消が一定程度図られていることについて日本公庫の確認ができることが要件とされています。どの区分にどの要件がかかるかは、制度ページでご確認ください。なお、①②いずれについても「一部ご利用いただけない融資制度があります」との注記があります。
また、新規開業・スタートアップ支援資金では、対象資金(原則として土地にかかる資金を除きます)を借り入れる場合に特別利率が適用される方が案内されています。

 

以下は条件の概要です。

①女性の方、35歳未満または55歳以上の方

②創業塾や創業セミナーなど(産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業)を受け、認定市区町村が発行する証明書を取得した方(※有効な証明書の場合に限る)

③「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用(適用予定を含む)し、自ら事業計画書の策定を行い、認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方

④日本ベンチャーキャピタル協会の会員(賛助会員を除く)等、または中小企業基盤整備機構もしくは産業革新投資機構が出資する投資事業有限責任組合等から出資を受けている方(見込まれる方を含む)

⑤技術・ノウハウ等に新規性がみられる方

⑥Uターン等により地方で新たに事業を始める方

⑦地域おこし協力隊の任期2年目以降の方または任期終了後1年以内の方であって、同隊として活動した地域で新たに事業を始める方
特別利率にはA・B・Cの区分があり、同じ条件でも所在地等によって適用される区分が異なる場合があります。該当しそうな条件があれば、要件の全文と区分を日本公庫の制度ページで確認してください。なお②の証明書は有効なものであることが条件とされています。取得方法や有効期間は、創業予定地の市区町村にご確認ください。
実際に適用される利率は、資金の使いみち、返済期間、担保の有無などによっても異なります。利率および引下げ幅は改定されることがあるため、申込み前に必ず日本公庫のホームページで最新の利率一覧を確認してください。

 

9.提出前に、公庫のセルフチェックリストで確認する

書き上げた創業計画書は、日本公庫が申込者向けに公開している「創業計画書 セルフチェックリスト」で自己点検できます。記入漏れや検討漏れの洗い出しに使えます。主な項目は次のとおりです。

①創業の動機 … 「創業への熱意や創業を志すまでの経緯を記載していますか?」

②経営者の略歴 … 「担当した業務や役職、実績などを記載していますか?」「身に着けた資格・スキルなどがあれば、それらについて記載していますか?」

③商品・サービス … 「誰に、何を、いくらで販売するか記載していますか?」「商品・サービスのセールスポイントを記載していますか?」「販売ターゲットに合った販売戦略について記載していますか?」「競合他社や市場について(店舗を出す場合は、近隣の状況について)調べて、記載していますか?」

④取引先・取引関係等 … 「入金や支払いのタイミングなど、取引形態を記載していますか?」

⑤必要な資金・調達方法 … 見積金額の検証、事業開始後の運転資金(半年程度の赤字補てん資金など)の検討、借入依存の資金調達計画になっていないかの3項目(うち2項目は本記事の4.で引用しました)

⑥事業の見通し…「計算根拠をもって売上高や売上原価の予測を立てていますか?」「経費に漏れがないか検討していますか?」「利益から借入の返済が可能な収支計画となっていますか?」

⑦全体…「全体を通して、整理されているか見直しを行っていますか?」

 

とくに⑥の最後、「利益から借入の返済が可能な収支計画となっているか」は必ず自分で検算してください。事業の見通しは月平均の利益で書きますが、返済は毎月発生します。利益が返済額を下回っている計画は、そのままでは成り立ちません。

 

まとめ

創業融資の準備は、「自分は創業計画書と企業概要書のどちらを準備する段階なのか」を確定させることから始まります。そのうえで、次の2つに着手してください。

①公庫のホームページから創業計画書の様式と、自分の業種に近い記入例をダウンロードする

②書き上げたら、日本公庫のセルフチェックリストで自己点検する
売上高は単価と数量に分解し、設備は相見積もりで金額を検証し、運転資金は入金条件と支払条件から逆算する。この3点は、いずれも日本公庫が「創業の手引」やセルフチェックリストで示している考え方です。

 

なお、本記事は2026年8月時点で公庫のホームページに掲載されている様式・資料にもとづいています。様式・制度・利率はいずれも改定されることがあるため、申込みの前に必ず最新の内容をご確認ください。

 

「創業計画書の事業の見通しをどう組み立てればよいか分からない」「会社設立と融資の申込みのどちらを先に進めるべきか迷っている」「創業期の資金繰りと税金の見通しをあわせて相談したい」といったご相談は、渋谷区恵比寿の税理士法人小原会計までお気軽にお問い合わせください!
 

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