小原崇史公認会計士事務所

【必見】個人事業主の所得税は?事業所得・一時所得・雑所得の違いとは

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【必見】個人事業主の所得税は?事業所得・一時所得・雑所得の違いとは

【必見】個人事業主の所得税は?事業所得・一時所得・雑所得の違いとは

2024/05/31

渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業支援を行っている税理士法人小原会計の小原です。

 

今回は個人事業主にとって、判断に悩む「事業所得」と「一時所得」、「雑所得」について解説します。

 

 

 

1.はじめに

 

所得税法における所得の種類は多岐にわたりますが、特に理解しておきたいのが「事業所得」「一時所得」「雑所得」の三つです。

 

事業を開始された方で、この所得は「事業所得」なのか、「雑所得」なのかに悩む方が多くいらっしゃいます。

 

また、事業的規模で事業を行っていない方が、収入を得た場合に、その所得が「雑所得」か「一時所得」なのかに悩むケースもよくあります。

 

今回は、そういった判断が難しい3つの所得について詳細に解説いたします。

 

 

2.事業所得

 

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生じる所得を指します。

 

業務に関連するものは雑所得として扱われることもありますが、基本的には個人事業主がその事業活動から得た利益が事業所得となります。

 

 

①計算方法

 

事業所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引いた金額で計算されます。

 

事業所得 = 総収入金額 - 必要経費

 

 

総収入金額には、売上金額以外にも以下のようなものが含まれます:

・金銭以外の物や権利その他の経済的利益の価額

・商品を自家用に消費した場合や贈与した場合のその商品の価額

・商品などの棚卸資産について損失を受けたことにより支払を受ける保険金や損害賠償金等

・空箱や作業くずなどの売却代金

・仕入割引やリベート収入

 

一方、必要経費とは、収入を得るために直接必要な費用のことを指します。

 

例えば、売上原価、給与、賃金、地代、家賃、減価償却費などが該当します。

 

ただし、家事上の経費は必要経費にはなりませんが、業務に関連する部分については必要経費に算入されることがあります。

 

②特例

 

・家内労働者等の所得計算の特例:

必要経費の額が55万円に満たない場合には、最高55万円まで必要経費として認められます。

 

・事業者に専ら従事する親族がある場合の必要経費の特例:

事業主が生計を一にする配偶者や親族に支払う給料も一定の条件を満たせば必要経費に算入することができます。

青色申告の場合は、税務署長に提出した届出に記載された範囲内の給与については、給与の額のうち労務の対価として適正な金額を事業所得の必要経費とすることができます。

白色申告の場合は、親族1人につき、最高50万円を必要経費とすることができます。配偶者の場合は、最高86万円までとなります。

 

 

3.一時所得

 

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時的な所得を指します。

 

①一時所得の具体例

一時所得には以下のようなものがあります:

・懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除く)

・競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く)

・生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等

・法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除く)

・遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

・資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうち、その交付の目的とされた支出に充てられなかったもの

 

②計算方法

 

一時所得の金額は、総収入金額から収入を得るために支出した金額と特別控除額(最高50万円)を差し引いた金額で計算されます。

 

一時所得 = 総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)

 

税額の計算方法としては、一時所得の金額の2分の1に相当する金額を他の所得と合計し、総所得金額を求めます。

 

ただし、特定の条件に該当する場合、源泉分離課税が適用されることもあります。

 

 

4.雑所得

雑所得とは、他の所得区分に当てはまらない所得を指し、例えば公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。

 

①計算方法

 

雑所得の金額は、以下の三つの合計額で計算されます。

・公的年金等の雑所得:

 

公的年金等の雑所得 = 収入金額 - 公的年金等控除額

 

・業務に係る雑所得:

 

業務に係る雑所得 = 総収入金額 - 必要経費

 

その他の雑所得:

 

その他の雑所得 = 総収入金額 - 必要経費

 

雑所得は、給与所得などの他の所得と合計して総所得金額を求めた後に納税額を計算します。

また、一定の先物取引による所得については申告分離課税が適用されることもあります。

さらに、公的年金等や原稿料・講演料などは原則として支払の際に源泉徴収が行われます。

 

②業務に係る雑所得の具体例

業務に係る雑所得には以下のようなものが含まれます:

・動産(不動産所得に規定する船舶および航空機を除く)の貸付けによる所得

・工業所有権の使用料(専用実施権の設定等により一時に受ける対価を含む)に係る所得

・温泉を利用する権利の設定による所得

・原稿、さし絵、作曲、レコードの吹き込み若しくはデザインの報酬、放送謝金、著作権の使用料又は講演料等に係る所得

・採石権、鉱業権の貸付けによる所得

・金銭の貸付けによる所得

・営利を目的として継続的に行う資産の譲渡から生ずる所得

・保有期間が5年以内の山林の伐採又は譲渡による所得

 

③その他雑所得の具体例

その他雑所得には以下のようなものが含まれます:

・法人の役員等の勤務先預け金の利子で利子所得とされないもの

・いわゆる学校債、組合債等の利子

・定期積金に係る契約又は銀行法第2条第4項に基づくいわゆる給付補てん金

・通則法第58条第1項または地方税法第17条の4第1項に規定する還付加算金

・土地収用法第90条の3第1項第3号に規定する加算金および同法第90条の4に規定する過怠金

・人格のない社団等の構成員がその構成員たる資格において当該人格のない社団等から受ける収益の分配金(清算分配金および脱退により受ける持分の払戻金を除く)

・法人の株主等がその株主等である地位に基づき当該法人から受ける経済的な利益で、配当所得とされないもの

・生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得の金額の計算上控除する保険料等

・役務の提供の対価が給与等とされる者が支払を受ける契約金

・就職に伴う転居のための旅行の費用として支払を受ける金銭等のうち、その旅行に通常必要であると認められる範囲を超えるもの

・役員または使用人が自己の職務に関連して使用者の取引先等からの贈与等により取得する金品

・譲渡所得の基因とならない資産の譲渡から生ずる所得(営利を目的として継続的に行う資産の譲渡から生ずる所得および山林の譲渡による所得を除く)

 

5.まとめ

事業所得、一時所得、雑所得はそれぞれの性質や計算方法が異なります。

事業所得は事業活動から得た利益、一時所得は一時的な収入、雑所得はその他の所得と定義され、それぞれに応じた計算方法と税額計算が必要です。

正確な所得区分と適切な申告を行うことで、税務上のリスクを回避し、適正な納税を行うことが重要です。

近年では、Webやアプリなどを用いた様々な形態の取引があります。

フリマアプリでものを売った場合などでも、申告が必要となることがあります。

そのような場合、どの所得で申告すればいいかわからない方も多いかと思います。

そのような方は、早めに税理士までご相談ください。

 

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