小原崇史公認会計士事務所

自社株の評価と整理、事業承継に向けた準備とは

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自社株の評価と整理、事業承継に向けた準備とは

自社株の評価と整理、事業承継に向けた準備とは

2024/11/07

渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。

事業承継を検討する中で、自社株式の贈与は極めて重要なテーマです。中小企業の経営者にとって、株式をどのように後継者へ引き継ぐかは、会社の将来を左右する一大事です。自社株式の贈与を進めるにあたって知っておきたい基礎知識と、その実施に際して検討すべき3つの重要ポイントについて詳しく解説します。

 

1. 自社株式の保有!財産権と経営権とは

株式を保有することは、「財産権」と「経営権」を持つことを意味します。これらは事業運営に深く関わり、特に自社株式の保有者が経営者自身である場合、日常的に意識されることは少ないかもしれません。しかし、事業承継を行う際は、これらの権利が重要な意味を持ちます。

 

財産権: 配当金を受け取る権利や会社清算時の残余財産を受け取る権利です。

経営権: 会社の経営方針や事業内容の決定、役員の任命、組織体制の決定、会社資産の活用と管理に関する決定など、株主総会の決議を通じて経営判断に参加する権利です。持ち株割合が高いほど、この経営権は強固になります。

 

2. 持ち株割合による権利の行使

経営権の行使は株式保有割合に応じて異なり、主要なポイントは以下の通りです。

3%以上: 株主総会の招集請求や会計帳簿の閲覧請求が可能。

33.4%以上: 単独で特別決議を否決可能。これは会社の合併、事業譲渡、定款変更など、重大な事項に関する決議に影響します。

50%超: 普通決議を単独で可決でき、会社の主要な意思決定を行えます。役員報酬の変更や取締役選任など、日常的な経営に関連します。

66.7%以上: 普通および特別決議を単独で可決可能。経営を安定させるため、この割合を保つことは特に中小企業において理想的です。

 

3. 自社株式贈与前に必要な準備

事業承継を計画する際には、自社株式を贈与する前に以下の3つのステップを踏んでおくことが重要です。

① 自社株の評価

未上場企業である中小企業でも株価は存在します。自社株式の評価は、相続や贈与において「財産評価基本通達」に基づき算定され、会社の純資産額や配当、利益、類似業種の株価などが考慮されます。たとえ一時的に赤字であっても、資産に含み益があれば株価は高くなることがあり、後継者の税負担が増す恐れがあります。

以下のような場合は自社株評価の見直しをしましょう。

・社長が自社株の大半を保有。

・純資産が1億円を超える。

・含み益のある土地や有価証券を保有。

・過去数年、自社株評価をしていない。

 

② 名義株の整理

平成2年以前の商法では、株式会社設立時に7人以上の発起人が必要だったため、設立資金を全額出資した創業者が親族の名義を借りて株式を保有することがありました。こうした「名義株」は、株主名簿や申告書別表二を確認し、問題がある場合は名義株主の同意を得て整理を行いましょう。これにより、経営権を巡る後のトラブルを防ぐことができます。

③ 株式譲渡制限の確認

中小企業では株式譲渡に制限を設けていることが多く、これにより株式の移動に取締役会の決議が必要です。株式贈与後も株主名簿を最新の状態にしておくことが必要です。

 

4. 自社株式贈与の進め方

自社株式の贈与は、一般に暦年課税制度や相続時精算課税制度を利用して行います。また、2027年12月31日までは「特例事業承継税制」の適用も可能です。長期間にわたり複数年に分けて計画的に贈与を行い、毎年評価を見直しつつ進めることが成功のカギです。

 

5.まとめ

自社株式の贈与には時間がかかり、計画的な取り組みが必要です。

早めの検討と準備を行い、スムーズな事業承継を実現しましょう。

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