渋谷・恵比寿で起業する方必見!貸借対照表の「純資産の部」からわかる会社の健全性
2025/08/21
渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。
普段の経営活動において、あまり意識することが少ないかもしれない貸借対照表(B/S)の「純資産の部」。しかし、この部分には会社の健全性や安定性が凝縮されており、定期的な確認が重要です。純資産の部は、いわば創業から現在までの会社の歩みを物語る「年輪」のようなもので、自己資本として積み重ねられてきたものです。この自己資本は、負債と異なり返済の必要がない資金であり、主に「資本金」と「利益剰余金」から構成されています。会社の状態を把握するためにも、その構成を定期的にチェックしてみましょう。
1.会社の歩みがわかる「純資産の部」
貸借対照表の純資産の部には、創業から現在までの会社の歩みが数字として表れています。この自己資本は、負債の部にある他人資本(借入金など)と違い、返済の必要がありません。主に「資本金」と「利益剰余金」で構成されています。
・資本金
「資本金」は、会社設立時に株主から出資された金銭や現物で構成される、会社の資産の基礎となるものです。資本金については、会社に株主名簿が備えられているかを確認し、増資や減資、株式の贈与や譲渡などによって株主や持株比率が変動した場合は、その都度、最新の状態にしておく必要があります。
株主名簿は、法人税の確定申告書の別表2「同族会社等の判定に関する明細書」に記載され、毎年税務当局へ提出することになっています。そのため、決算前に確認する習慣をつけると良いでしょう。社歴が長い会社では、過去の発起人がそのまま名義株として記載されているケースもあります。その場合は、経緯を確認し、名義人の同意を得て本来の出資者に株を移すなどの対応が必要です。
・利益剰余金
「利益剰余金」は、創業から現在までの税引後当期利益の累積額です。これは、会社の利益を稼ぐ力の累積とも言えます。この利益剰余金を会社の期数で割ることで、平均的な年間利益創出額を把握できます。
例えば、創立20年目の会社で利益剰余金が6,000万円だった場合、平均年間利益創出額は300万円となります。もし今期の税引後当期利益が200万円だったとすれば、今期は平均を下回る利益だったと振り返ることができます。赤字が続くと利益剰余金はマイナスとなり、そのマイナス分が資本金を上回ると、債務超過の状態となります。債務超過に陥ると、金融機関からの資金調達が難しくなる可能性があります。
2.財務の健全性を測る「自己資本比率」
総資本に占める自己資本の割合を示す「自己資本比率」は、会社の財務の健全性や経営の自由度を測る上で重要な指標です。自己資本比率が高いということは、他人資本(借入金など)に頼らずに事業を運営できていることを意味します。これにより、景気変動や金利上昇、災害といった予期せぬ事態にも対応できるため、突然の倒産リスクを低く抑えることができます。
また、借入金の返済に追われることがないため、生み出した利益を設備投資や新たな事業への挑戦に使うことができます。
自己資本比率の目安は下記となります。
・自己資本比率0%またはマイナス
赤字が続き、利益剰余金がなかったり、マイナスだったりする状態です。いわゆる債務超過であり、月々の資金繰りが厳しく、金融機関からの資金調達も困難なため、早急な経営改善が必要です。
・自己資本比率10%
金融機関からの借入れや役員借入金が多い状態です。経営環境によっては資金繰りが悪化するおそれがあるため、経営改善に着手するとともに、長期滞留している役員借入金の資本金組入れや放棄を検討しましょう。
・自己資本比率30%
経営環境の変化に左右されにくく、突然の倒産リスクは低い状態です。遊休資産の処分や在庫管理などを徹底し、黒字決算を実現して、毎期確実に利益を積み上げていけるようにこのまま頑張りましょう。
・自己資本比率50%
あらゆる経営環境の変化に対応できるたくましさがある状態です。社長の長年の努力の賜物であり、金融機関とも良好な関係を築けているでしょう。慢心せず、売掛金の回収や在庫の管理等を引き続き心がけましょう。
中小企業が自己資本比率を高めるには、黒字決算を実現し、税金を納めて、利益剰余金を積み上げていくことが王道です。社歴の長い会社の中には、不動産や有価証券の含み益に頼って融資を受けているケースもありますが、含み益に頼る経営では、いずれ資産を売却しなければ借入金の返済が困難になる可能性があります。「含み益があるから大丈夫」と安心せず、早い段階から自己資本比率を高める経営にシフトしていくことが大切です。
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税理士法人小原会計/小原崇史公認会計士事務所
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