【税理士解説】どこまでが経費?全額落とせる「修繕費」の定義と具体的なOK事例
2026/04/13
渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。
機械の修理や建物の修繕を行った際、「この費用は全額その期の経費(修繕費)で落としていいのだろうか?」と悩む経営者や経理担当者の方は少なくありません。
もし誤って修繕費として処理してしまうと、税務調査で「資本的支出(資産計上)」とみなされ、追徴課税のリスクが生じます。
そこで今回は、税務調査で否認されないための修繕費の定義と、実務でよくある具体的な「OK事例」について詳しく解説します。
1.全額経費で落とせる「修繕費」の2つの定義
税務上、修繕費として認められるのは、固定資産に対して支出した金額のうち、以下の2つのいずれかに該当するものです。
・通常の維持管理のための費用: 固定資産を予定された機能・性能で維持していく(現状の効用や価値を維持する)ための日常的な点検や補修などです。これには、一定の「反復性」と「予測可能性」があるのが特徴です。
・原状回復のための費用: 壊れたりき損したりした資産を、元の状態に戻すための支出です。通常の維持管理とは対照的に、突発的に起こる「非常性」と「非予測性」という性格を持っています。
2.実務で使える!修繕費の具体的なOK事例
上記の定義を踏まえ、実際に修繕費として全額経費で落とすことが認められる具体的な事例をご紹介します。
① 建物の一般的な修繕(通常の維持管理)
家屋の壁の塗り替え、床の毀損部分の取替え、畳の表替え、毀損した瓦やガラスの取替え、障子・襖の張替えなどは、建物を使用していく上で予想されるメンテナンスであり、現状の効用を維持するための「通常の維持管理」にあたるため、原則として修繕費となります。
② 機械のオーバーホール(通常の維持管理)
長年使用している機械のオーバーホール(分解、修理、点検、整備)にかかる費用も、その機械の現状の効用を維持する上で必要な費用であるため修繕費で問題ありません。ただし、劣化した部品を従来より品質や性能の高いものに取り替えた場合は、その超える部分が資本的支出となるため注意が必要です。
③ 事故による破損の修復(原状回復)
たとえば航空機の破損事故に伴う修復費用において、その修理代が航空機の取得価額の60%程度かかるような高額なものであっても、改良や改造の要素がなく「原状回復の範囲内」であれば、全額が修繕費に当たるとされた事例があります。
④ 法令や条例対応のための不可避な支出
法律や条例の改正により、今の固定資産をこれまで通り使い続けるために「やむを得ず」行う支出も、現状の効用を維持するための費用として修繕費になるケースがあります。
事例: 大型貨物自動車への速度抑制装置(スピードリミッター)の装着費用。
事例: 排ガス規制(条例)に対応するため、ディーゼル車に装着した「粒子状物質減少装置」の費用(現状の価値を維持できなくなることを防止するための原状回復費用として認められました)。
事例: 消費税率の引き上げに対応するための、会計ソフト等の改訂費用。
まとめ
支出した費用が修繕費になるかどうかは、「現状の機能・価値の維持」や「原状回復」の範囲に収まっているかどうかが最大の判断ポイントとなります。
「今回の修理・改良費用は全額経費にできるか?」と判断に迷われた際や、日々の経理処理でお困りの企業・スタートアップの皆様は、ぜひ渋谷区恵比寿の税理士法人小原会計までお気軽にご相談ください!
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税理士法人小原会計/小原崇史公認会計士事務所
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