小原崇史公認会計士事務所

決算をサクッとキチンと終わらせるコツ!「貸倒損失」を計上するための3つの基準を徹底解説

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決算をサクッとキチンと終わらせるコツ!「貸倒損失」を計上するための3つの基準を徹底解説

決算をサクッとキチンと終わらせるコツ!「貸倒損失」を計上するための3つの基準を徹底解説

2026/03/19

渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。

決算期が近づくと、「長期間回収できていない不良債権を、なんとか今期の損失として落とせないか?」というご相談をよくいただきます。 しかし、税務調査において貸倒損失は厳しくチェックされる項目のひとつです。要件を満たさないまま安易に損失計上してしまうと、後々否認されるリスクがあります。

 

今回は、不良債権を適正に処理して決算をキチンと終わらせるために知っておくべき、貸倒損失の「3つの基準(全体像)」と、とくに重要な「法律上・事実上の貸倒れ」について徹底解説します。

 

大前提:税務上「部分的な貸倒れ」は原則NG!

まず押さえておきたい基本ルールとして、税務上、金銭債権の評価損(部分的な貸倒れ)を計上することは原則として禁じられています。「半分くらいは回収できそうにないから、50%だけ損失にしよう」といった処理は認められません。全額を損金として計上するためには、通達で定められた以下の「3つの基準」のいずれかを満たす必要があります。

 

基準1:法律上の貸倒れ(法的に債権が消滅した場合)

1つ目は、法律の規定や関係者の協議等によって、債権そのものが法的に「切り捨てられた(消滅した)」場合の基準です。具体的には以下のようなケースが該当します。

・会社更生法による更生計画認可の決定。

・民事再生法による再生計画認可の決定。

・会社法による特別清算に係る協定の認可の決定。

・債権者集会などで合理的な基準により決められた債権の切捨て

これらの法的手続き等により債権がカットされた場合、客観的な事実によって当然に貸倒れとなるため、会社側で「損金経理(帳簿上で費用として処理すること)」をしていなくても、その事実が発生した事業年度の損金として算入されます。

 

基準2:事実上の貸倒れ(全額回収不能が明らかな場合)

2つ目は、法律上は債権がまだ生きているものの、債務者の資産状況や支払能力などから見て「全額(100%)回収できないことが明らか」な場合の基準です。

法的に債権が消滅していないのに貸倒れを認めるため、要件は厳しくなっています。 最大の注意点は、担保や保証人がいる場合です。担保物があるときは、原則としてその担保物を処分した後でなければ、貸倒れとして処理することはできません。

また、この基準を適用するためには、全額回収不能が明らかになった事業年度において、会社が自ら「貸倒れとして損金経理をする」ことが必須の要件となります。処理のタイミングを間違えると否認のリスクがあるため、慎重な事実確認と証拠資料(破産や債務超過の状況を示す資料など)の保存が重要です。

 

基準3:形式上の貸倒れ(売掛債権の特例)

3つ目は、継続的に取引をしていた債務者に対する「売掛債権(売掛金など)」にのみ認められる特例的な基準です。取引停止から1年以上経過した、あるいは取立費用が売掛金総額を上回るといった一定の形式要件を満たした場合に適用できます。 (※貸付金などは対象外となる点や、備忘価額「1円」を残して処理しなければならない点に注意が必要です。詳細については別の記事で解説します。)

 

まとめ

貸倒損失を適正に計上するためには、「法律上の貸倒れ」「事実上の貸倒れ」「形式上の貸倒れ」のどれに当てはまるのかを正確に見極め、それぞれに求められる損金経理の要件や証拠資料を揃えることが不可欠です。

「うちの未回収債権は貸倒れにできるのか?」と判断に迷われた際や、決算に向けた不良債権の整理でお困りの際は、ぜひ渋谷区恵比寿の税理士法人小原会計までお気軽にご相談ください!

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税理士法人小原会計/小原崇史公認会計士事務所
住所 : 東京都渋谷区恵比寿南1-20-6 第21荒井ビル4F
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