一般社団法人・一般財団法人の「収益事業」とは?税務の基本を恵比寿の税理士が解説【渋谷エリア対応】
2025/10/14
渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。
一般社団法人や一般財団法人の設立を検討されている方、あるいはすでに運営されている方にとって、税務上の取り扱いは非常に重要なテーマです。特に、「収益事業」に該当するかどうかは、法人税の課税対象となるか否かを左右する大きなポイントとなります。今回は、一般社団法人・一般財団法人の税務、特に収益事業の考え方について詳しく解説します。
1.一般社団法人・一般財団法人の課税の原則
一般社団法人・一般財団法人は、その形態によって税務上の取り扱いが異なります。
非営利型法人に該当しない法人の場合、すべての所得に法人税が課税されます。これは、一般的な株式会社と同様の取り扱いとなります。
一方、非営利型法人に該当する場合、法人税が課税されるのは「収益事業」から生じた所得のみとなります。この「収益事業」の範囲が、非営利型法人にとって特に重要になります。
2.収益事業の定義と要件
法人税法において、収益事業は「販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう」(法人税法第2条第13号)と定義されています。この定義から、収益事業に該当するかどうかを判断するための3つの要件が挙げられます。
①政令で定める事業(34事業)としての性質を有すること
法人税法施行令には、収益事業として具体的に34種類の事業が列挙されています。これらの事業に該当するかどうかが、最初の判断基準となります。
主な34事業は以下の通りです。
物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業その他の飲食店業、周施業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採掘業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊戯所業、遊覧所業、医療保険業、技芸教授業、駐車業、信用保証業、無体財産権の提供等を行う事業、労働派遣業
②継続して行われる規模であること
一時的、単発的に行われる事業は収益事業に該当しない可能性があります。反復・継続して行われる事業であることが求められます。
③事業場を設けて行われる規模であること
特定の場所を拠点として事業が行われていることが要件となります。事務所や店舗など、事業活動を行う場所が継続的に存在している状態を指します。
これらの3つの要件をすべて満たす場合、原則としてその事業は収益事業に該当し、そこから生じる所得には法人税が課税されます。
3.収益事業の例外規定
ただし、上記の「事業場を設けて行われる規模であること」の要件を満たしていたとしても、例外的に収益事業とされない場合があります。
具体的には、障害者や年齢65歳以上の者等が半数以上従事している事業で、かつ、その事業がこれらの者の生活の保護に寄与している場合には、その事業は収益事業とはみなされません(法人税法施行令第5条第2項)。これは、福祉的な側面を考慮した特例措置と言えます。
4.収益事業に付随する行為の取り扱い
たとえ上記の3要件を直接的には満たしていなくても、収益事業に付随する行為であると判断される場合には、その付随行為も収益事業として課税対象となることがあります。例えば、収益事業を行う上で不可欠な、あるいは密接に関連する行為などがこれに該当します。
5.入会金や会費は課税されるか
非営利型の一般社団法人の場合、収益事業から生じた所得にのみ課税されます。では、入会金や会費は収益事業に該当するのでしょうか。
正会員になるための入会金、通常の年会費、賛助会費などについては、一般的にはその法人への支援としての性格が強いと考えられます。これらは収益事業によって得た対価とはみなされないため、原則として課税の対象となりません。
一方で、会費を支払うことで特定のサービスが受けられる場合、その会費は収益事業の対価とみなされることがあります。例えば、介護サービスの利用料としての会費、スポーツクラブの月会費、雑誌の定期購読会員の会費などがこれに該当します。これらの会費は、提供される役務や物品との間に明確な対価関係があるため、その事業が収益事業に該当するものであれば、課税の対象となります。
6.研修会等の受講料は収益事業となるか
研修会や講習会の受講料を得て行われる行為は、「技芸教授業」に該当する可能性があり、収益事業となることがあります。
具体的には、以下の分野における技芸の教授は収益事業として扱われることがあります。
洋裁、和裁、着物着付け、編物、手芸、料理、理容、美容、茶道、生花、演劇、園芸、舞踊、舞踏、音楽、絵画、書道、写真、工芸、デザイン、自動車操縦、小型船舶操縦など。
これらの研修会や講習会で受講料を徴収し、継続的に事業場を設けて行われる場合は、収益事業として課税対象となる可能性が高いと言えます。
まとめ
一般社団法人・一般財団法人の税務は、非営利型法人であるか否か、そして「収益事業」に該当する活動を行っているか否かによって大きく異なります。特に非営利型法人においては、どの事業が収益事業に該当し、どの事業が該当しないのかを正確に判断することが、適切な税務処理を行う上で不可欠です。
判断に迷う場合は、専門家である税理士にご相談いただくことをお勧めします。恵比寿、渋谷エリアで税理士をお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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税理士法人小原会計/小原崇史公認会計士事務所
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