小原崇史公認会計士事務所

税理士が語る!渋谷・恵比寿のスタートアップが知るべき借入金と資金繰りの秘訣

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税理士が語る!渋谷・恵比寿のスタートアップが知るべき借入金と資金繰りの秘訣

税理士が語る!渋谷・恵比寿のスタートアップが知るべき借入金と資金繰りの秘訣

2025/07/28

渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。

日々の経理業務は、健全な経営を支える大切なものです。正しい経理に基づく会計データがあって初めて、経営者は的確な経営判断を行うことができます。今回は「借入金」の会計処理や管理に焦点を当て、その「きほん」を改めて確認してみましょう。

 

1.借入金の基本的な分類と会計処理

企業経営において、資金調達は不可欠な要素ですが、その中でも「借入金」は重要な位置を占めます。

会計のルール(企業会計原則や中小会計要領など)に基づき、借入金は大きく二つの種類に分類されます。

一つは「短期借入金」です。これは、返済期限が1年以内に到来する借入金を指します。例えば、日々の事業活動に必要な運転資金(仕入、人件費、家賃など)の調達や、手形借入、当座借越による短期継続融資などがこれに該当します。

もう一つは「長期借入金」です。こちらは、返済期限が1年を超える借入金のことです。主に、会社が設備投資を行う際の資金(建物、機械、車両などの購入)や、新しい技術を導入するための資金、あるいは一定期間の運転資金を借り入れる際の証書借入などが該当します。

さらに、長期借入金の中には、返済期日に一度に全額を返済する「一括返済」と、借入期間中に分割して返済していく「約定返済」があります。

この「約定返済」のうち、返済期限が1年以内に到来する部分については、「1年以内返済長期借入金」として区分して管理することが求められます。

具体的な仕訳例を見てみましょう。

例えば、1,200万円を期間5年で借り入れ、毎月20万円ずつ返済していく場合、借入時には「長期借入金」として960万円、「1年以内返済長期借入金」として240万円に区分して計上します。

このように適切に区分することで、会社の財務状況をより正確に把握することができます。

貸借対照表
流動資産 流動負債
現金・預金 1,200万円 1年以内返済長期借入金 240万円
       
    固定負債
    長期借入金  960万円

 

 

2.役員借入金の特殊性と管理のポイント

会社が役員から資金を借り入れる場合、これは「役員借入金」として、金融機関からの借入金とは明確に区別して管理する必要があります。

この区分は、会社の財務状況を正確に把握する上で非常に重要です。

もし役員からの借入金に対して利息を支払ったり、毎月返済を行ったりする場合には、借入金額、利息の有無、返済日、返済期限などを具体的に明記した「金銭消費貸借契約書」などの書面を作成しておくことが不可欠です。これにより、将来的なトラブルを防ぎ、透明性を確保できます。

一方で、無利息であり、かつ当座の返済予定がない役員借入金については、貸借対照表上「役員借入金」として区分されていれば、実質的に自己資本とみなされるケースもあります。

税務調査の際には、役員借入金の「出所」が確認されることがあります。そのため、資金のやり取りは現金で行うことを避け、役員の個人口座から会社の口座へ振り込みで行い、その振込明細をしっかりと保管しておくなど、お金の「出所」を明確に説明できるようにしておくことが大切です。

役員からの借入金は、「ある時払いの催促なし」といった形で、いつの間にか多額になっていることも少なくありません。

しかし、この役員借入金は、役員個人に相続が発生した場合に相続財産に含まれることになります。したがって、現状を正確に把握し、計画的に返済の道筋をつけることや、もし会社に繰越欠損金があるなどの状況であれば、返済の目途が立たない役員借入金の債務免除を検討することも、経営戦略上有効な選択肢となり得ます。

 

3.借入金から読み解く資金繰りの安定性

借入金を適切に区分して管理することは、単に会計上のルールに従うだけでなく、会社の「資金繰りがどれくらい安定しているか」を具体的に把握するための重要な手段となります。さらに、経営計画を策定する際には、「どれくらいの利益を出せば借金を滞りなく返済していけるか」を考える上での基礎情報にもなります。

借入金の返済に充てられる主な資金は、大まかに「当期利益+減価償却費」で計算されます。もしこの金額が「1年以内返済長期借入金」の額を下回る状態が継続する場合、それは資金繰りが悪化している兆候であり、追加融資などの手当てを早急に検討する必要があることを示唆しています。

金融機関からの借入金総額を「当期利益+減価償却費」で割ることで、「債務償還年数」という指標を算出できます。この指標は、「現在の利益を生み出す力から見て、借入金を完済するまでにどの程度の年数が必要か」を表します。もしこの債務償還年数が、実際の借入金の約定年数よりも長い場合には、会社の経営状況に問題がある可能性が高く、速やかに経営改善に着手することが求められます。

 

4.借入後の適切な管理と金融機関との連携

資金を借り入れた後も、その返済に向けた適切な管理と、金融機関との良好な関係を維持することは、会社の健全な経営にとって非常に重要です。

まず、借入れに関する情報をきちんと整理しましょう。金融機関ごとに、借入目的、借入金額、借入期間、返済期限、毎月の返済額、担保の有無と担保提供資産などの詳細な情報を、「借入金台帳」や「借入金一覧表」などにまとめておくことをお勧めします。これにより、借入先や返済年月ごとの元金や利息の支払いに必要な金額を簡単に確認できるだけでなく、将来的に借り換えを検討する際にも役立ちます。

次に、金融機関等への財務情報の開示を怠らないようにしましょう。借入れを行っている金融機関に対しては、定期的に決算書を提出し、自社の財務情報を開示する必要があります。金融機関は、融資先の最新の業績を踏まえた上で、定期的な情報交換を通じて融資先企業を支えたいと考えています。そのため、借り入れた後の金融機関との関係を大切にし、積極的にコミュニケーションを取ることが、良好な関係構築に繋がります。

決算書だけでなく、月次、四半期、半期ごとの試算表についても、電子データ(TKCモニタリング情報サービスなど)を通じて金融機関に開示することが可能です。これにより、よりタイムリーな情報共有ができ、金融機関からの信頼を得やすくなります。詳細については、当事務所までお気軽にご相談ください。

 

5.借入金管理のためのセルフチェックリスト

自身の会社の借入金管理が適切に行われているか、以下の項目でセルフチェックをしてみましょう。

・借入金を「短期借入金」と「長期借入金」に正しく区分していますか?

・長期借入金のうち、1年以内に返済する分を「1年以内返済長期借入金」として区分していますか?

・以下の借入金に関する情報を把握し、管理していますか

①担保の有無と、担保として提供している資産の名称

②保証協会付き融資の場合、その有無と信用保証料

③財務制限条項(コベナンツ)付き融資の場合、その内容を把握していますか?

④連帯保証人の有無

・役員借入金の資金の出所を明確に説明できるようにしていますか?

・役員借入金について「金銭消費貸借契約書」などの書面を作成し、その内容に従って管理していますか?

これらのチェック項目を確認し、適切な借入金の管理を行うことで、経営の安定化と会社の持続的な成長に繋がります。

ご不明な点がございましたら、渋谷区恵比寿にある税理士法人小原会計まで、お気軽にご相談ください。

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