小原崇史公認会計士事務所

令和7年度税制改正で年末調整はどう変わる?給与支払日で分かれる制度対応

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令和7年度税制改正で年末調整はどう変わる?給与支払日で分かれる制度対応

令和7年度税制改正で年末調整はどう変わる?給与支払日で分かれる制度対応

2025/04/10

渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。

令和7年度の税制改正により、所得税の基礎控除や扶養控除といった人的控除が大きく見直されます。

この改正は令和7年分の所得税から適用されますが、企業が行う年末調整や、個人事業主等の準確定申告では制度の適用時期により対応が異なるため、注意が必要です。

この記事では、年末調整や準確定申告における対応の分岐点と、それに備えた実務上のポイントを整理して解説します。

 

1.年末調整での制度適用は「給与の支払日」が分岐点

令和7年の年末調整では、原則として改正後の制度が適用されますが、その判断基準は「給与等の最後の支払日」がいつかによって決まります。

 

給与等の支払日 適用される制度 対応内容
令和7年12月1日以後 改正後の制度 基礎控除の特例、特定親族特別控除などを反映した年末調整を行う
令和7年11月30日以前 改正前の制度 現行の控除額で年末調整を行い、改正制度の適用には確定申告が必要

 

このように、12月1日以降に支払われる給与がある従業員には改正後の制度が適用されます。

一方、11月30日以前に最後の給与が支払われ、以後に給与支払いがない場合は、現行制度で年末調整を行う必要があります。

例えば、11月末に退職する従業員に対しては、改正前の制度で年末調整を行い、本人が確定申告をすることで改正後の控除を受けることが可能になります。

 

2.準確定申告における対応と「更正の請求」

個人事業主や、年の途中で亡くなった方・出国された方は、準確定申告によってその年の所得税を精算します。

この場合にも、制度の適用は申告のタイミングによって異なります。

準確定申告の提出時期 適用される制度 追加対応の要否
令和7年11月30日以前 改正前の制度 更正の請求により改正後の制度適用が可能
令和7年12月1日以後 改正後の制度 そのまま改正制度で申告可能

11月30日以前に準確定申告を行った場合は、改正前の制度に基づく処理となりますが、12月1日以降に更正の請求を行えば、改正制度に基づく税額へ変更することができます。

更正の請求は、申告期限から5年以内であれば認められており、還付を受けられる場合もあります。

ただし、提出時点では適用できない点に注意し、後日の手続きが必要になります。

 

3.実務担当者が準備しておきたい対応事項

年末調整や準確定申告に関する制度適用の分岐を正確に理解しておくことで、納税者に不利益が生じないよう適切な対応が可能となります。

特に、企業の経理担当者や人事の担当者の方は、以下の点に注意が必要です。

 

企業が今から準備すべきポイント:

対応項目 内容
給与支払日の確認 退職予定者や年末時期の給与支払日を確認し、適用制度を整理する
システム対応の確認 年末調整ソフトや給与システムが改正に対応しているか確認する
申告書類の整備 新制度に対応した「扶養控除等申告書」「基礎控除申告書」などを準備する
従業員への説明 控除額の変更内容や、確定申告が必要となるケースの説明を行う

また、個人事業主の死亡や海外移住で、その家族が申告を行う場合は、死亡日または出国日から4か月以内が準確定申告の提出期限となります。

申告時期によって制度適用が分かれるため、必要に応じて提出日を調整したり、更正の請求を前提とした資料保存が重要です。

 

4.制度理解が正確な納税につながる

今回の改正は、基礎控除や扶養控除の引き上げ、新たな特例制度の創設など、納税者にとって有利な内容となっていますが、適用時期を誤ると、本来受けられるはずの控除を逃してしまう可能性があります。

たとえば、11月末で退職した従業員に対して、企業がそのまま改正制度で年末調整し、退職者本人が確定申告を行わないと、改正により受けられる恩恵を退職者が受けられないことになります。逆に、退職者本人が確定申告を行えば、控除を正しく適用し、税額の還付を受けることができます。

企業の実務担当者も、個人で申告を行う方も、令和7年の税制改正を正しく理解し、12月1日を境とする対応の違いを把握しておくことが重要です。

 

まとめ

令和7年度の人的控除の見直しにおいては、制度そのものの理解はもちろんのこと、実際の適用タイミングが極めて重要になります。

特に年末調整や準確定申告では、12月1日を境とした判断が求められ、実務上のミスを防ぐためには事前準備が欠かせません。

人的控除の拡充によって控除額が増えることで、納税者の負担が軽減されることが期待されますが、それを確実に享受するためにも、年末の対応を慎重に進めていきましょう。

渋谷・恵比寿エリアで年末調整や申告に関するご相談がございましたら、税理士法人小原会計までお気軽にお問い合わせください。

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