小原崇史公認会計士事務所

【令和7年税制改正】年収の壁が「160万円」に!?基礎控除の特例でどう変わる?

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【令和7年税制改正】年収の壁が「160万円」に!?基礎控除の特例でどう変わる?

【令和7年税制改正】年収の壁が「160万円」に!?基礎控除の特例でどう変わる?

2025/04/01

渋谷区恵比寿でスタートアップ、起業、会社設立支援を行っている税理士法人小原会計の公認会計士・税理士の小原です。

これまで、パートやアルバイトの収入で意識されてきた「年収103万円の壁」。この壁を超えると所得税が発生するため、一定の範囲内で働くことを選ぶ方も少なくありませんでした。

2024年の年末から、2025年(令和7年)からこの壁が大きく見直されることとなり、注目を集めています。

今回は、令和7年度税制改正により見直された所得税の控除制度と、それによって新たに生まれる「160万円の壁」について、わかりやすく解説します。

 

1.「年収103万円の壁」が見直される背景

これまで、所得税がかからないラインは、基礎控除48万円と給与所得控除55万円を合計した103万円でした。

これは、主にパートタイマーやアルバイトなどの非正規雇用者が意識するラインとして定着しており、「これ以上働くと損をする」というイメージを持たれていました。

今回の税制改正では、まず基礎控除が58万円に、給与所得控除の最低額が65万円に引き上げられることが決定しました。

 

・基礎控除:58万円(現行48万円+10万円)

・給与所得控除の最低保障額:65万円(現行55万円+10万円)

 

この2つを合計すると、所得税が課税されないラインが123万円にまで引き上げられることになります。

しかし、その後国会での修正により、さらなる上乗せが盛り込まれ、特例的に基礎控除が最大95万円まで引き上げられることとなりました。これにより、課税最低限が160万円にまで拡大され、新しく「160万円の壁」が出来ました。

・基礎控除95万円+給与所得控除65万円=160万円

 

2.実際に何がどう変わるのか

この新たな控除制度は、すべての人に一律で適用されるわけではありません。

年収に応じて段階的に控除額が変化する仕組みが導入され、年収が多いほど控除額が減るように設計されています。また、現状、令和7年と令和8年に限った時限的な措置であることにも注意が必要です。

控除額は次のように変化します。

年収 基礎控除 備考
~200万円 95万円 非課税ライン160万円
200万円超~475万円以下 88万円 控除額は7万円減少
475万円超~665万円以下 68万円 さらに減額
665万円超~850万円以下 63万円 上乗せ幅はわずか5万円
850万円超 58万円 現行通り、変更なし

※いずれも令和7年・8年分に限る特例措置

年収が高くなるにつれて、段階的に基礎控除が縮小される仕組みです。

つまり、160万円の非課税ラインが適用されるのは、年収200万円以下の方に限られます。

 

3.減税効果はどのくらい?

では、実際にどれくらいの減税効果があるのでしょうか。ケース別に見てみましょう。

以下は今回の改正による減税額の一例です(目安)。

 

単身者の場合

年収 減税額(年間)
200万円 約2,4万円
400万円

約2万円

800万円 約3万円
1,500万円 約3.3万円

 

夫婦共働き世帯の場合

世帯年収(内訳) 合計減税額(年間)
400万円(各200万円) 約4.7万円
800万円(各400万円) 約4万円
800万円(600+200万円) 約4.4万円
2,000万円(各1,000万円 約4万円

減税額そのものは大きな金額ではありませんが、非課税となる収入の範囲が広がることで、働き方に対する選択肢が増える可能性があります。

 

4.企業側にとっての影響と注意点

この改正は、従業員本人だけでなく、企業の人事や経理担当者にも関係します。特に年末調整の計算がより複雑になることが予想され、事務処理の負担が増す可能性があります。

具体的には、従業員の年収に応じた基礎控除額を適切に判定し、それに基づいて源泉徴収税額を調整する必要があります。また、2年間限定の特例であるため、制度が再度変更される可能性にも備えなければなりません。

早めに対応準備を進め、給与計算システムや年末調整ソフトの対応状況を確認しておくことが大切です。必要に応じて税理士への相談も視野に入れるとよいでしょう。

 

5.今後の働き方にどう影響するのか

今回の改正により、これまで103万円の壁を意識していた人たちにとって、より柔軟な働き方が可能になります。たとえば、月に数時間だけ勤務を増やしても所得税がかからないというケースも増えるでしょう。

ただし、所得税の非課税範囲が広がっても、社会保険の「130万円の壁」などは引き続き存在しており、トータルでの判断が必要です。特に扶養の範囲内で働くことを希望する人にとっては、税金だけでなく保険料にも注意を払う必要があります。

 

まとめ

令和7年から導入される所得税の新たな控除特例は、一見すると複雑ですが、ポイントを押さえれば理解しやすい制度です。年収200万円以下の方にとっては、大きなメリットとなる可能性があります。

一方で、企業側にとっては事務処理の複雑化という新たな課題が生じます。税制改正への対応をスムーズに行うためには、制度の正しい理解と、実務への反映が欠かせません。

渋谷・恵比寿周辺で税務相談をご希望の方は、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。会社の年末調整に関するアドバイスもお任せいただけます。

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